じじらぎ

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小宝差別

きのう出航延期していた村営フェリー「としま」は1日遅れで、きょう4日に出港することになった。 

ただし、帰りの便は宝島直航という。 宝島に接岸したあと停泊せずに、ただちに折り返す。 その場合,下り便が寄ったばかりの小宝島には接岸せず,通過することが多い。 

おおむね,天候は悪い方に向かっている。 小宝から鹿児島に行く場合は、下り便に乗って用事のない宝島港までいったん下って折り返し出港を待ち、小宝の島影をかすめて鹿児島に向かうことになる。


折り返し地点の宝島港に近く、港の条件が劣悪なことによって通過地点・小宝がこうむる難儀。 それが恒常化し,島の人も当たり前のこととして諦めるようになった。


思えば小宝は哀しい島である。



1日遅れたうえに帰り便がこんな塩梅になったおかげで,宿の予約はすべてキャンセルになった。 

全滅!


いつもめでたい女将が、珍しくボヤいた。 
 悪天候続きのことしはキャンセルが当たり前のようになってしまって、先月までの客の実質受け入れは昨年の半分…という。

休む間もない台風の襲来で裏の菜園は壊滅した。 やむなく野菜までことごとく鹿児島に注文する。 あげくに、保存のききにくい食材がわんさと届いて、お客は来ない。


10年あまり都市部に暮らして独りで賄いをしてきた爺の目には、島の人は食材管理が苦手なように見える。 食糧不足の島で食糧を腐らせる。

しかし、島が長くなると、そんなしくじりを笑えなくなる。

次にいつ船が着くかわからない風まかせの暮らし。 ついつい物を余分に買い込んでしまう。 物がなくなることへの恐怖感が意識の底に巣食ってしまう。




それにつけても、キャンセルが多い島の小さな宿屋は哀れである。 荷物が岸壁に降ろされた時点で買いすぎを嘆かないといけない。


そんなときは天を恨むしかない。 誰が悪いわけでもない,天を仰いで嘆くしかない。 ……島の人たちには,それとなく,こんな心得を教えられてきたような気がしている。

最近は,年をとってボケがすすみ怒りっぽくなった。 

偏屈にも磨きがかかって,書生のような青臭い激情に駆られるようになった。 天が悪いのではない,悪いのは人だ…と思うようになった。

人が住んでいる島に人が通えない状況があるのは天のせいではない。 港の改善を怠ってきた人のせいだろう。


他の島にはあるのに小宝だけない…ということで,いま分校の屋内体育館を造っている。 結構なことだ。 しかし,優先順位を考えると少し違うような気がしている。 

小宝だけ…ということを問題にするなら,なによりも港の整備が先だろう。 小宝だけ…というなら,ここ数年の環境破壊のすさまじさは小宝島だけのことではないのか?


人の出入りの間口を半ば閉ざした状況にして「日本最後の秘境」 を“売り” にする行き方ではこの先,島は生き残れない。 

本物の自然保護の思想と技術をもった人材,地域振興の知恵と経験をもった人びとが気軽に出入りする環境をつくることを,もっと真剣に考えたい。

ケチな島の宿屋の下足番としては,秘境の土人の役を演じるのにそろそろ飽きてきた。



…ついつい愚痴っぽくなった。 まだまだ修行が足りない。





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