じじらぎ

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臨時ニュース

午後8時10分過ぎ、島の拡声器がいきなり声をだした。「防災十島村」 でも「防災小宝島」 でもない。前おきなしの“臨時ニュース”。

「現在、断水の状態です」 という。 「使用量にたいして供給が間に合わない状態です。節水をお願いします。 繰り返します。現在、断水の状態……」。

雨はしとしと、ほとんど休みなく降った。全島がうるおい、湿気でなにもかもふやけたような…。それなのに「断水」。

女将に聞くと、宿をたたんで鹿児島市にいる間に話に聞いたことはあるが、島にいてジカに断水の知らせを聞くのは初めてという。 なぜ、今ごろになって断水? 

小宝島は長い間、日照り続きだった。すでに梅雨入りしているのに雨らしい雨が降りだしたのは、やっと昨日になってから。

待ちに待った慈雨。干上がっていた畑もようやく生き返った。しっかり締めていた蛇口のコックをついついゆるめてしまったのか、どうか? とすれば、各戸ごとに雨水を溜めていた感覚が残っていたということ?

実は小宝島の上水道に降雨量は関係ない。1990年(平成2年) 11月、海水淡水化施設が完成した。水源は海である。水資源は無尽蔵。ただし、資源を生かす施設に限界がある。

雨水溜めをまだ使っている家は島内にもほとんどない。槽を残しているところも灌漑用、あるいは防火用? 雨水を生活用水にしているのは、今はもうパパラギだけかもしれない。

きのうの朝、ひとりだけいた客が帰って、宿は全館休業状態に戻った。そのさい女将は1階の洗面所、および玄関の蛇口まで、すべて淡水化の水から貯水槽の水に戻すよう導水管のレバーをひねった。

「断水」の報を聞いて、1階まで降りて、あるだけの蛇口を開けてみた。 切り替えはうまくいっていて、すべて雨水槽の水に切り替えられていた。

思ったとおり、コックを目いっぱい開けても水が一滴も出ないのは2階の流し1カ所だけ。出ないのが正常。あとのコックは出るのが正常で、すべて順調。 

時ならぬ断水のおかげで、切り替え操作がうまくいっていることを確認できた。それだけではない。おかげさまで、雨水溜めの威力を実感することができた。
民宿パパラギの水事情は以下の通り。

【2階フロア】
流し1……淡水化水道
流し2……雨水槽
流し3……雨水槽
洗濯機用蛇口……雨水槽
トイレ……雨水槽(非常時は淡水化水道に切り替え可というが、未確認)
洗面台……雨水槽、淡水化水道に切り替え可

【1階フロア、および庭】
風呂場1……雨水槽
風呂場2……雨水槽(淡水化に切り替え可、というが未確認)
洗濯場……雨水槽
トイレ1……雨水槽、淡水化に切り替え可
トイレ2……同、同
洗面台……雨水槽、お客があるときは淡水化水道
玄関横の足洗い場……雨水槽、随時淡水化に切り替え
雨水槽に取り付けられた蛇口……迷うことなく雨水槽

思いつくままに蛇口の水がどこから来ているかを列挙してみた。雨水槽の依存度が圧倒的に高い。ひとまず、省資源型。

ひとまず…と断らざるを得ないのは、水圧を加えてやるのにモーターの力を借りている点。

これが、そこそこに老朽化した。稼働中は電気を食う。動かなくなると更新費用がかかる。必ずしも節約にならない。

ただ水不足の環境に対応するという要請には十二分にこたえている。女将によると貯水タンクの水が涸れたことは一度もない。

おとといまでのカラカラの天気で、野菜や木に水をやるのに遠慮はしなかった。タンクを空にする実験に挑戦したつもり。 撒いて撒いて撒きつくそうとがんばったが、いっこうに涸れない。

そのうち雨がきた。きのう一日降って、夜どおし降って、昼になってもほとんど降りやまない。午後になるとタンクの上の方にある水抜きからあふれてきた。

裏で騒がしい声がするので、のぞいたら女将だった。貯水槽からオーバーフローする水を受けるバケツがない…とあわてふためいている。 水不足の島で生きた最後の世代。風で飛ばされたらしいバケツを探して、雨に濡れながら藪の中をさまよっている。

施設をつくったときの記録は今、島にはない。見当で言えば、貯水タンクは普通の天井の高さの6畳間の室内容積より大きい感じ。これがいっぱいになった。バケツなんかどうでもいいではないか。

……パパラギの集水システムと雨水の水質についてはいつか自慢話をしたい。長くなるに決まっているので、きょうのところは遠慮する。
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