じじらぎ

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鹿児島へ

∇…011   雨が降っても船は来る。湾内はうねりがあったが、外はべた凪。小宝以外の港はどこも穏やかだった。

∇…027   午後7時過ぎ日が薩摩半島の山並みに沈む。船は奄美航路。

∇…046   鹿児島入港の少し前。陸には電気仕掛けの信号や色とりどりの看板がひしめく。空には三日月。船の上からだとブレて月が太って写っていた。





【棟梁の車屋さん】
午前7時50分に「フェリーとしま」は小宝港を出港した。鹿児島港に錨をおろしたのは午後8時30分過ぎ。

しばらくやんでいた雨が、「としま」に乗り込んだとたんに降りだした。あと降ったりやんだり。昼過ぎからようやく降りやんだ。

海は凪。タクシーで鹿児島市のはずれの空き家にたどりついたのは午後9時半。1カ月前に散らしたとおりの形で、数々の物件が1カ月分の埃をかぶっていた。なぜかかび臭さを感じない。

道々、タクシーの運転手さんから話を聞いた。あいかわらず不景気。運転手さんの声にも力がない。もともとは運転手ではないのだという。

木材を相手にしてきた昔ながらの大工だった。建築会社が支店を出すので仕切ってくれないかと頼まれて、弟子たちもろとも傘下に入ったのが間違いだった。

前触れもなく本社が倒産した。後始末に追われているうちに気がついたら、昔からのお得意さんとの縁も薄くなっていた。

職人の働く場がなくなった。棟梁は、客に道を聞きながら車を転がす。頭を下げ下げ、客の下知を仰ぎながら辺鄙なところまで車を乗り入れてくれた。

あたりは、ありふれた田舎のたたずまいである。伐期を過ぎた杉林が近くに迫っているんだけれども、暗くて見えない。 木があり、気もあるのに仕事がない棟梁は、そのまま街にとんぼ返りした。



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COMMENT
こんばんわぁ~^^
本当に天気は降ったり止んだりだったのですね^^;私のところはまだ晴天対月です^^;暑くて。。。^^;でも来週から梅雨らしい天気になりそうです^^;嫌な季節だけど。。。
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