じじらぎ

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宴のあと

コメントで「宴のあと、寂しくはないか…」 とのご懸念があった。 寂しい…って?   まぁ半分くらいはそう。 

人恋しいという気持ちはもともと薄いから、どうだっていい。 それと別の寂しさ、侘しさ。これに思い当たると、きつい。

もともと寂しいのが島です。 島が賑やかになったり、妙に活気づいたりするのはウソ。どこかで無理をしている。

島の寂しさを知ろうとしない人たち、そんな人たちが島のために働いているような顔をする。振りをするだけでなく、振りをしているうちに本気でそう思っていると錯覚するようになった気配の人も。

妙に賑やかになって、そんな人たちがはしゃぐ顔を見せつけられるのはつらい。

心安だてに“島おこし” などと口走ってもらいたくはない。やっていることは大方“島つぶし”。いやなことを言うようだけど、島に住んでいるときれい事を言う人がうとましくなる。

……確かに。宴のあとはひときわ侘しさがつのります。



村の財政を考えると、情けない思いにとらわれる。 繰り越し金をのぞけば自主財源は4%ちょっとしかない自治体の大判振る舞い。派手に騒いで勘定はツケにする…。 

いっとき賑やかになったからといって何になる?  「トカラを日本中にPRできる」 としても、それでどうなる?

PRもいいけど、順序が違う。島にかかわり、それで給金をもらったり、利得にあずかったりしている人たちが、まず島のことを知ってほしい。


漁船でひそかに密航(!?) するずるいやつらがいるって?  私の知る限り、海を知っている漁師は気安く島に立ち寄らない。

2年近く住んで、小宝に島外の漁船が寄港するのは見ていない。まともな船乗りが人の命を預かり、はるばる七島灘を渡って小金を稼ごうなどと考えるはずがない。

期間中、島周辺に姿をみせた巡視艇も、本気で“取り締まり” を考えていたかどうか。 

海上保安部も頑張っていますよ…というPRには確かになった。…油代もかかることだから、武装難民対策の下見をしていたのかもしれない。

鹿児島市の中央警察署からも警官が来た。人のよさそうな2人組で、島民との交流を楽しんだ。 まぁ、それはそれで結構。

しかし、これをきっかけに無用の平準化がなされないのか? 本土並みの杓子定規が導入されて、島が住みづらくならないよう祈るばかり。




規制や取り締まりは出来るだけないほうがいい。 島は島のやり方でのんびりやってきて、おおむねそれで不都合がなかった。心配りや常識が有効なうちは法や決まりは出しゃばらない方がいい。

今回は村がとんでもない“ルール” を押しつけてきた。 1旅行斡旋業者に旅行代金を払ったものでないと島の観光を認めない。“ルール破り” の個人旅行者は水の使用や排便をする資格がないとして立ち退きを迫る。


これこそルール違反ではないのか? 

十島村は条例をつくって島への立ち入りを規制しようとした。それを断念したのは、現代の法体系では地方公共団体による規制自体が不法であることが分かったからではないのか? 



くどいかもしれないが、もともと無理があった。…天候に左右されやすい“天体ショー” を見るのに日本でいちばん天候に左右される島々を拠点として選ぶ。

トカラの魅力に日蝕のおまけは要らないと思うけれども、島を確率の低い賭けに使った。おまけに団体客をもってくる。常識では考えられない冒険である。

そこまでは良い。やる方の勝手。 ただ、企業がやる分はいいが、地方公共団体が全面的に肩入れすることはない。

「経験のないことで、村では対応しきれない。村役場の力ではできなかった」 と言う。 これまで村が完璧な村政をやってきたわけではない。村民もそれを求めていない。

…村で出来るだけのことをやってみる。それでいい。行き届かないところも出てくるだろう。 それでも、ツアー外の個人客を犯罪者扱いして締め出すよりもずっといい。



私の知る限り、小宝島の民宿に団体ツアーが泊まったことはない。業務で来る人以外は、すべてひとり旅か少人数の家族連れ。足は村営フェリーしかないから、七島全体の入り込み客数もおのずと制限がある。

トカラの旅は、いわば自己責任の旅。宿の予約はとれても船が寄るかどうかは直前まで分からない。いつでも予定変更の構えで、とにかく島に向かう。 お任せ、お仕着せの団体ツアーとは別種の旅。 

だから、トカラを観光地として売り出す場合、個人客を粗末にしてはいけない。その時限りの金払いの良い客のために、古いお得意さまに門前払いを食わせてはいけない。

仕事をやる者の心得としては当たり前のこと。それを、村の偉い人たちは最後まで分かってくれなかった。


【補足】旅行計画をつくり、広く参加者をつのる旅行会社のツアーとは違うけれども、団体客なら3年ほど前に修学旅行の生徒らが島の宿に分宿したことがあるらしい。 生徒を連れて小宝までやってきた教師はどんな人だったのか? 折りがあれば聞いてみたい。






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COMMENT
島としての時の流れ
おっしゃるとおりだと思います。
私もまだ島に住んで1年半しか経っていないので、
あれこれ言うような立場にはいないのですが、
基本的に島は本土とは違う時の流れがあります。
本土で適用されるルールや法律を、
そのまま島にあてはめるのはそもそも無謀であって、
もしそれをやってしまったなら島は島としての個性を失うだろうし、
島に住む事そのものが大変な事になってしまいます。
島が賑やかになる時は確かにあるんですが、
基本的には静かでゆったりとしていて、
島の日常は寂しさの裏返しで成り立っているのかもしれません。
一時的に観光客が増える事は悪い事しかないですね。
本気で島を活性化したいと思うのなら、
ツアーなどの団体客を受け入れたりする事ではない。
何かの縁で訪れてきてくれる人を大切にする事、
島の人が島を愛する思いを伝える事で島を好きになってくれ、
再び訪れてきてくれたり、定住してくれたり、
そういう人をごくごく地道な草の根活動で増やしていくべきで、
地に足をつけて前を見据えないとならないんでしょう。
今回有名になった悪石島の名前も、
果たして1年後、どれだけの人が記憶に留めているんでしょうか。
再び個人的に訪れる人が何人いるでしょうか。
そもそもツアーで来ても、島の魅力の1割も分からないでしょうし、
あえてリスクを負ってでも来てくれる個人客を締め出すなんて・・・。
一過性のPRならむしろやらない方が良いんですよね・・・。
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