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抜港

熱帯低気圧は台風8号になった。村営船は今日のうちに宝島から折り返し、鹿児島港に向かう。上り便は抜港、つまり小宝島を飛ばすという。

パパラギの客4人は昼過ぎに来た下り便に乗った。いったん宝島まで下って、あらためて小宝島の島影を見ながら鹿児島港に向けて北上する切ない回り道。

ランプウエー(車両用斜路) は、やっぱり降ろせなかった。鹿児島から工事用の資材を積んできた車は島に置き去りになった。


これから先しばらく、島は孤立する。

今日の船には宿の女将も乗った。5月のレントゲン検診の結果が、日蝕特別期間が迫ったころになって通知された。「要精密検査」 とか。

出来るだけ早く再検査しなさい…ということだが、日蝕がらみの出入り規制期間が長く、日程の繰りをつけにくい。うかうかしているうちに台風も来る。着の身着のままの格好で船に飛び乗った。


広い宿には爺と老犬のサンだけ。食糧と水と焼酎の蓄えは余分にある。このぶんでは1カ月くらいは楽に籠城できそう。



食糧の蓄えが余分にあるのには事情がある。今日の船でひとり客が来る予定だった。それがキャンセルになり、連泊予定を切り上げた4人に加えて5人分の1泊計15食分がだぶついた。

客が早々に引き揚げたのと入れ代わりに、今日の便で荷物が2つ…。 出港前日に注文した野菜などが注文の通り律義に送られてきたのである。今日に限って、荷物の重さがうとましい。

サンは頼りにならない。胃袋を撤去した爺ぃが独りで頑張るしかない。



午後8時過ぎ防災十島村の放送があった。「フェリーとしまは…8時ちょうど…口之島港を…鹿児島港向け…出港…しました。鹿児島港…入港は…あす…午前2時10分の…予定です」。

変則運航である。鹿児島市で宿をとろうにも無理な時間。 長い船旅で一刻も早く上陸して揺れない地面に立ちたいところだが、多くの人が船室で横になったまま夜明けを待つ。

船は船で心配りするしきたり。 輸送機関だから目的地に着いたら“お客さん、起きてください。終点です” と体をゆすって起こし、暗闇のなかに放りだしてもいいのかもしれない。

それをしないのが村営船。 時差調整のための簡易宿泊所の役割も果たす。
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