じじらぎ

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病人ずれ

ベッドの上で自分の入院歴を反芻してみた。退職間際までろくに休みも取らず働きづめだったと思いこんでいたら,在職中に6回も入院していた。

それで病休は退職の日までゼロだった。37年分の年次有給休暇の消化日数もゼロ。ウソのようなホントの話…。


労働行政にたずさわるお役所は,それを見て見ぬふりをした。 それだけなら良い。見当はずれの杓子定規をふりまわして働く人間をさらにいじめた。…話せば長くなるので,この話はいずれ。



退職間際に99%詰まっていた冠動脈の修繕が済んだ。喜んだのもつかの間,めったのことではシレッとしてきた爺ぃが「ガーン!」とゲンノウでどやされたような衝撃を受ける事態が生じた。

病院との絶縁のお墨付きをもらうつもりで人間ドックの検診を初めて受けてみた。消化器のところまできて,やたら作業が手間取る。やがて,診断に当たった医師の表情が硬くなって,ものを言わなくなった。

癌が隠れていたのである。陰鬱な顔をしてなかなか口を開こうとしない医師に大きな声で自白を迫ったところ,すでにリンパ組織まで転移が進んでいた。

かくて,病院をせっかく出たところで,また別の病院の病床に縛り付けられる仕儀になった。 退職後は眼科をふくめてさらに3度入院した。通算すれば9回。


振り返ってみると,自分は病人の大ベテランであった。もし「患者学」という新しい学問分野をおこしたいと考えている人がいたら,お手伝いができるかもしれない。

その場合は患者の心得ではなく,もっと意義のある患者の不心得についての資料を提供できる。この分野については体を張って実践してきたことがたくさんある。


とにかく,「病人ずれ」すれば病院通にもなる。たまには,けがの功名のような成り行きにもなる。


隣の病室のお公家さんみたいな姓の人とは廊下で立ち話するようになった。話してみると,前の病院で処置した方がいいか,今の病院がいいかまだ迷っていた。その前に今すぐ手術をした方がいいのかどうかについても決断がつきかねる風だった。


他人のことだと決断力は冴える。それと複数の病院の不祥事や要員体制についての情報もたまたま耳に入ってきていた。

まず「あなたは運がお強い」と励ました。さらに「今この病院に入院していること自体が強運。ここで今すぐ切ってもらう以外の選択肢はあり得ない」と断言しておいた。

この人,自分より2つ年上だが病人歴は浅い。大いに心を動かされた風だった。


その弾みかどうか,3,4時間後に会ったときは「どうにもこうにも痛みが我慢できなくなった。もういけない」と半ば泣き顔になっていた。

夕方,廊下が騒々しい。看護婦さんに確かめたら,急きょ手術室に運ばれたという。程なく手術がうまくいったという知らせを聞いた。

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