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ハンダマ、水前寺菜、金時草

∇…ハンダマ 2008年11月12日_DSC07025   ハンダマ、水前寺菜(すいぜんじな)、金時草(きんじそう)…。いずれも植物の名。3つとも同じものを指す。


ハンダマというのは奄美・琉球の言い方で、語源不明。ハルタマとも言うらしいので、この訛りかもしれない。

スイゼンジナというのは学界に認知された和名。

実は水前寺の特産というほどにはなっていない。 水前寺を冠した植物は、これよりもスイゼンジノリ、スイゼンジゼリなどの方が名が売れている。肥後人はスイゼンジナを粗末にしている。


キンジソウは加賀・石川での通称で、この植物の特徴をよく現わしている。金時草…。葉の裏の鮮明な紫色がキントキイモを思わせるので命名されたらしい。なぜキントキソウと言わないのか分からない。



加賀・石川では“加賀野菜” の一つとして江戸時代から大事にされてきた。今では知る人ぞ知る幻の野菜。

露地やハウスで栽培されたものが石川県の特産品として出荷されている。料理法も多彩で、南アジアをふるさととする南蛮わたりの野菜が北国の食文化として根づいている。

石川の人びとの愛着は尋常でない。ことスイゼンジナにかんするかぎり、肥後より加賀の人たちに応分の敬意を表さなければならない。


ちょっと大仰な言い方をした。自身ではちっとも大げさとは思っていない。ハンダマ=金時草は、知れば知るほど有り難い草であった。


なんとしてもおいしい。ツルムラサキのような風味という人がいるけれども、味も香りも濃い。肉厚で柔らかく歯ごたえも確か。道端から摘んできた草なのに食卓を一挙に豪華にする魔法の草。

金沢ではハウス栽培なら2月から11月までが出荷時期という。小宝島では出荷はしない。栽培もしていない。


小宝では一年中はえていて、一年中たべられる。それなのに食糧がほとんど自給できない野菜不足の島で食べる人はあまりいない。不当にも路傍の草の扱い。


島で自宅の庭に植えていることが確認されているのは2戸。1戸は観賞用として愛で、食膳にはのせない。


もう1戸もたまにしか食べない様子で、主目的は虫を愛でるため。実は、島にハンダマを小宝島にもたらしたのはこの人。

ご当人には自らの功績を誇る気持ちはない。導入の時期を問うても「いつのころだったかな。もう10何年前」 。「私がジカにもちこんだわけではないんです」 と悪さをしたいたずら坊主が言い訳をするような物腰でくり返す。


彼によると、食用として苗をもちこむという形をとらなかった。小宝島で蝶の喜ぶ花をそだてたい…と鹿児島昆虫同好会の福田晴夫会長に電話で問い合わせたのが発端。会長はすぐに種子島在住の会員に手配してくれて、間をおかずに種子島から苗が送られてきた。


植えてみたら造作もなく根づいた。蝶たちも喜んで集まるようになった。


島では花期を特定できない。365日年中無休で花が咲いている気配。アサギマダラなとの蝶類も1年中飛び回るようになった。




人間はハンダマを蝶ほど珍重しなかった。

贅沢なのである。食い物に不自由していないはずはないのに道端に生えている草は、ことごとく雑草あつかいして軽くみる。


実は、爺自身がそうだった。うまい野菜はほかにもある、わざわざ草を食らうことはない…。 

だいたい葉の裏が紫色できれいすぎる。美しいものをむしゃむしゃ食らうのは野蛮なことではないのか…?


畑の野菜が端境期を迎えた冬場、船が欠航、抜港した。新鮮な野菜に飢えていたときに女将が「食え!」 と言ってハンダマを出した。是非もない。あらためてめ口にしてみて驚いた。


うまい! こんなもうまいものは他人に食わせたくない!

栄養価を調べてみて仰天した。 他人には教えたくない!


∇…サクノハナ   ……表の写真2枚目にはハンダマの右に別種のサクノハナが写っている。これも島では路傍の草。ハンダマよりアクが強いのが難点だが、てんぷらにすると絶品。左の写真の状態であちこちに生えている。ハマボウフウの近縁種らしい。

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