じじらぎ

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バッコーの人

きのう「フェリーとしま」 が抜港して、一日遅れでお客さんがやってきた。宝島で野営する…と言っていたので、よほど旅慣れた人かと思ったら、荷物が多い。
プライバシーに踏み込む恐れがあるので、宿に来るお客さんのことは出来るだけ触れまいと思っていたが、もちっと暢気にテゲテゲにいくか…という気になった。いささかでも差し障りがあれば、即座に引っ込めるこころづもりである。

13日朝、風変りなおじさんがタラップを降りてきた。小宝港で降りられずに宝島で野営したというが、野営の装備だけでなく島めぐりの旅ではあまりみない箱を2つ抱え込んでいた。


夕方になって中身が分かった。箱におさまっていたのはトランペットとサキソフォン。

風変りなおじさんの職業は音楽家ではない。燃料電池の研究開発が本業。時代の先端をゆく緊張感から逃れて、勝手放題に音をだせる場所をトカラまでさがしにきた。


宝島で野営したら潮騒の音の大きさに今更ながら驚いたという。同じ珊瑚礁の島でも小宝島の海沿いはアダンなどの自然林に勢いがあって、それが波の音も潮風もあらかた吸収する。海は目の前なのにせからしくない。

となれば、みだりに音を出すのははばかられる。どこか音をだしていいところはありますか…と尋ねてきたとき、いい加減な答え方をしてしまった。

「どこでん かしこでん鳴らせます」。そんな按配の対応をしたら、要領を得ない曖昧な顔。しばらくして「ちょっと散歩してきます」 と外に出て行った。


なるほど、どこでもかしこでも…というのでは分からない。宿のコンシェルジュ(誇り高き三助見習いからフランス風ヨロズ案内人兼用人に降格となった) はあてにならん、と見限って自分でさがしに行ったという事情は、後で知った。

牧場のところを歩いていると若いひとに出遭った。このへんに音をだせるところはありますか…と尋ねてみたら、なんとその若者も音をだすのが好きな性分だった。人の少ない離れ島で妙な縁に驚いたという。


さて、20代半ばにみえる人で音楽の好きな若者は2人…。聞いてみたら、どちらでもない。

よくよく質(ただ) すと、こちらの思い込みと性が違う。ならば分校にこの4月赴任してきたばかりの小学低学年と音楽担当の女先生。

さっそく電話して呼び出した。ついでに連絡のつく音楽好きに声をかけて、ミニコンサート。




宿の玄関ホールに放置してあるピアノは、普段だれも弾かないの堅くなっていた。それが良い音で鳴りだした。

なんと、分校に赴任してきた臨時の先生は、楽譜を初見して他の楽器とその場で合わせられる技量を今まで隠していた。バッコーおじさんのサキソフォンもはじめ堅かったのが、だんだんと柔らかいやさしい音になってきた。

外は暗闇、波も音をひそめている。
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COMMENT
有り難うございます
有り難うございます。ご指摘をいただくまで気づきませんでした。巻き添えで男の子がひとりカットされてしまうのは残念ですが、トリミングをして出し直しました。

誤字脱字の多いのにうんざりしていますが、写真もしっかりチェックしないといけない。バッコーおじさんなどといささか失礼な呼び方をした人とは、お帰りになった後もメールをやりとりしています。この件についてもご寛恕いただきました。

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報告します
お客さんのプライバシーに触れたことについて、賛否3件のコメントがありました。否のうち1件は了解を得ればいいんじゃない…という見解。もう一件は無条件で「否」とするもの。

今回の件に関しては暗黙の了解済みで、遠いところに嫁にいっている娘さんにもテレビ電話で挨拶することができました。

ただ、悪意をもって利用される恐れについては忘れてはいけないと思います。

3件のコメントは内容に問題はないのですが、発信者の身元がはっきりしないので未承認のままにしておきます。

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