じじらぎ

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車椅子の帰還

∇…017      船が着いた。 鹿児島市に行っていた人たちがみんな予定通り帰ってきた。

なかで番外2人。後ろ向きの車椅子は今から乗り込むのではなく、いま降りてきたばかりのところ。タラップの上からもう1台車椅子が降りてくる。
車椅子がタラップを降りるのは初めて見た。それも続けざまに2台。

船の人、接岸作業の人たちがさりげなく支え合って、車椅子2台の老夫婦は無事降りたった。長い間、鹿児島市内の施設で療養していて、久しぶりの里帰りという。


不意の帰還であった。それでもつつがなく島の土を踏むことができたのは船と島の底力。



車いすのおじいさんはシェークジ(細工司) の家がら。島の祭事をつかさどるオヤシュウを補佐する2番オヤシュウである。

トンチとトコロの神々の祭事をあずかるオヤシュウは、よんどころのない事情で2番オヤシュウに後を託して島を去った。2番オヤシュウは、やむなく引き継いだものの世襲の手はずを整えないうちに身体が言うことをきかなくなった。…そんな話を聞いていた。

オヤシュウもシェークジも世襲である。島の秩序と、島びとの心の平安を支えてきた神々との中継ぎを果たすべき人は、もはや自力で車椅子から立ち上がることさえ出来ない。



それはそれとして、介護が欠かせない状態になった老夫婦が、車椅子2台を連ねて里帰りできる島であったことを見届けることができた。有り難いことである。

坂がない島。いよいよ困ったら誰かがさりげなく手を差し伸べてくれる島…。ふだん自覚しないけれども、トカラ7島のなかで、とびきりのすぐれた条件ではないだろうか。
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