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道板

∇…021道板    船の来ない無聊(ぶりょう) を持て余して船の話をする。島の防災無線で初めてランプウエーという言葉をきいたとき意味が分からなかった。
船舶用語かと思っていたら、由来は少し違うらしい。ランプ(ramp) は高さの違う2つの道路をつなぐ傾斜した道ということ。ランプウエーと言えば自動車専用道の出入り口を指すこともあるらしい。

トカラで暮らす場合、村営船「フェリーとしま」がランプウエーを降ろしてくれるか、くれないかは重大な関心時である。港の条件が悪い小宝島、平島では、船が動いても「ランプウエーの使用制限」というお断りがつくことが多い。その場合、荷物の積み下ろしはクレーンだけがたより。フェリーがフェリーの用をなさない。


ランプウエーという仕掛けを実物をキチンと見たことのない人に説明するのは厄介である。「車両乗降用斜路」 と言ったみたりするが、やっぱり分かりにくい。

幕末維新のころ外来語をそのままカタカナ表記しても意味がわからないというので翻訳の試みがなされた。マッチは「摺り付け木」 と呼称されたこともあったらしいが、定着しなかった。やはり、音節が長すぎて、字数が多いのは面倒である。


池田宗雄著『船舶知識のABC』(成山堂書店、平成14年) を見たらランプウエーのことが「道板」 と書かれていた。ふり仮名は付けてないが、おそらく「みちいた」と読むに違いない。

簡単で字数、音節ともずっと少ない。なるほど、これが通じるようになれば便利である。



板でいいのなら…と自分なりにも考えてみた。「岸寄せ板」 ということでもいいかもしれない。

「寄せ」 は岸を呼び寄せるという心もちと受けとめてもらってもいいが、岸に寄せかける板というほどのつもり。これなら「板」 を省略して、単に「岸寄せ」 と呼んでも通じそう。



船舶用語はカタカナ表記が多い。馴染みのない英語の語彙が多く難解だが、古くから馴染んできたものはそのまま残した方がいいと思っている。

たとえば右舷をスターボード(star board) と呼ぶのに目くじらをたてるような世知辛い世の中にはなってほしくない。

スターボードは、もともとはスティアーボード(steer board)。 舵(steer=かじ) がついた側のことを言っていたのが訛ったのだという。訛りを容認するおおらかさ…。鹿児島方で言うテゲテゲさは、万国共通の海の男の気質らしい。


バイキングの船は舵を船尾の真ん中につけずに、右の舷側につけた。接岸は左の舷側と定めておいた。舵が岸壁に直接触れて損傷するのを避ける知恵である。

左舷をポート(port) または、ポートサイドというのはこれが由来。今の旅客機が左舷側に乗降口を設けているのは船のしきたりを模したという。


「フェリーとしま」 のランプウエーも左舷側につけられている。入港する前に島内放送では右舷付けか左舷付けかを知らせるが、右舷付けというアナウンスがあるときはランプウエーを降ろさない。


船舶用語といえば、洟たれ小僧だったころの港町の餓鬼仲間は英語を日常語として用いていた。遊びなどのときに「ゴシタン」 と号令がかかると、即座に後すざりしないといけない。

由来が英語の「ゴー・スターン」(go stern) であることに気づいたのはおとなになってからのことである。


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